講演会:「北京の聖者 清水安三先生の物語 -郁子先生から見た安三先生-」

清水安三先生の生涯と功績を広く知っていただくことを目的に、安三先生の生誕地である滋賀県高島市新旭町で講演会を開催しました。講師は、桜美林大学教授の榑松かほる先生です。

榑松かほる先生は、清水安三先生と結婚した郁子先生研究の第一人者です。今回は、郁子先生の立場から見た安三先生について解りやすく語っていただきました。

清水安三先生は、私立大学関係者の間では有名な桜美林大学の創設者ということですが、出身地の滋賀県高島市ではあまり知られていません。榑松先生のお話に、安三先生の生家近くから参加された方々も初めて聞くエピソードに聴き入っておられました。

郁子先生は

男女共学論をまとめた方で、NHK朝ドラの主人公に登場しても不思議ではない人。
安三先生と苦楽を共にして北京の崇貞学園と桜美林学園を築いてこられた。
結婚によってそれまでの個性を失ってはならない、というシッカリとした強い女性。

郁子先生から見た安三先生像

女性の自立を目指す進歩的な考えを持ち、強い女性が好き。
故郷の先人である中江藤樹先生を慕い、いつも故郷を思いながら先ずは困っている人を助ける。
豆腐のように切った人を育てるのではなく、一人一人の個性を大切に育てる。
一度言ったことは決して引かない。強情な明治の男性。
凄い子煩悩。崇貞学園の子どもたちはオヤジオヤジと言って甘えていた。
根気よく教え、優れた教育者と絶賛。
100年200年先を想像したプランを持ち、社会全体の材&人材育成に努力した成功者。
中国人への深い愛を奉げ、祖国のない女性に温かい愛をもって接した。

質疑応答で(Q:今の社会に郁子先生がおられたら)

郁子先生が目指したことは 一人一人の学生を育てる=男女共学論=一人一人の個性にあわせた教育。
今日、一人一人の子どもがどの様に扱われているか? 達成できていないのでは、と思われる。

安三先生が夢を語り、郁子先生が道筋をつけながら崇貞学園と桜美林学園を築いてこられた、という様子が思い浮かぶ講演会でした。そして戦中戦後の社会において、一人一人の個性にあわせた教育を既に実践されていたことに驚き、素晴らしい!と感じたところです。