清水安三先生顕彰会の歩み
清水安三先生顕彰会の歩み
2024年(令和6年)5月18日
■令和6年度総会を開催
(会員数64名、出席者12名、はがき通知者37名)
清水安三記念館をお借りして、令和6年度総会を開催しました。
議長:髙橋敏枝氏の進行により提出された案件を審議。全て承認されました。議案書は、お知らせに掲載していますのでご覧ください。
なお、本年度も桜美林中学との交流事業が実施される場合は、特別会計にて対応することで了承されました。
■研修会を開催
総会終了後に昨年に実施された中学生交流事業について、三田村治夫氏からパワーポイント等を使って報告をしていただきました。
■生誕地記念碑清掃活動を実施
総会と研修会の終了後に、総会出席者により清水安三先生の生誕地記念碑清掃活動を実施させていただきました。
2024年(令和6年)2月17日
令和5年度の講演会を清水安三先生の生誕地である滋賀県高島市新旭町で開催しました。講師は広島女学院大学学長(前桜美林大学学長) 三谷高康先生です。演題は「清水安三先生と私」
会場の新旭公民館には、高島市内外より多くのご参加をいただくことができました。三谷先生は前桜美林大学学長で、ご自分では「断われず神の思し召しだと思い、学長を引き受けたのです」とおっしゃっておられたのですが、安三先生とも「プロビデンス(運命的な出会い)」があったのでしょう。三谷先生の紹介は芹野与幸先生がされました。三谷先生の奥様は同志社大学の名誉教授オーティス・ケーリの孫娘のアン・ケーリだと話され、会場に暖かい空気と少しざわめきがおこりました。
三谷先生の講演は新島襄や同志社での安三先生のエピソードなどが話されました。旧制膳所中学校でウィリアム・メレル・ヴォーリスと出会い、キリスト教と出会い、洗礼を受けたこと。洗礼をきっかけに新島襄が設立した同志社大学に進学し、宣教師として中国に行き、安三先生は「北京の聖者」と言われるまでの活躍をされたこと。崇貞学園の運営資金を得るために安三先生が同志社大学講師として、働きながら子どもたちの作った手芸品を販売していたことは多くの方々が知るところですが、それがゆえに同志社大学講師を解雇されたことも。すべてが子どもたちの為であり、教育の為と、信念をもって行動されていた安三先生の思いが、同志社大 学のその当時の人々に通じていなかったことは大変残念なことです。
しかし、その後、四十年もたってから、清水安三先生が同志社大学から名誉神学博士号を授与されていたことを、今回三谷先生のお話で知り大変驚きました。安三先生はどんな思いで解雇された同志社大学の門をくぐられ、授与式に臨まれたのでしょう。解雇された時は今後の資金調達に大変悩まれたはずであり、理解してくれなかった同志社大学を良く思えなかったでしょう。しかし、中国北京の貧困層と、焼け野原となった日本東京で、教育の種をまき、大きな花を咲かせた安三先生の生き方に称賛をおくる声も大きかったのでしょう。
教育者:清水安三先生と他に、パナソニック創業者の松下幸之助氏や水上生活者支援の中村遥氏、ハンセン病看護に生涯をささげた井深八重氏とともに撮られた写真が映しだされた時は、とても誇らしい気持ちになりました。その授与式の場を直接ご覧になった三谷先生は大いにプロビデンスを感じられたのではないでしょうか。
この高島市新旭町北畑から、熱い情熱と信念を持ち、多くの人のために尽くされた偉大な教育者の、寛大で何事も受け入れ、歩まれた清水安三先生の生き方を改めて知る講演会でした。
※京都新聞掲載記事を添付させていただきますので、リンクボタンからご覧ください。
2024年(令和5年)12月16日
12月16日に清水安三記念館で「北畑こどもクリスマス会」を開催しました。
参加者は北畑区から3名、北畑区外から3名の計6名でした。今年は高島市新旭町藁園の湖西教会の牧師さんご夫婦と、そのお子様2名が演出し、協力してくださいました。
安三先生の紙芝居は臨場感いっぱいで思わずくぎ付けでした。またコンサート会場かと思うほどのオルガンなどの演奏会。そしてクリスマスソングをみんなで合唱したときに、どこからともなく聞こえるオペラ歌手のような響きわたる歌声にびっくりしました。みんなの歌声も自然と大きくなったように思います。
その後、子供たちはゲームに真剣になり、すぐに意気投合。やはり大人と違って楽しいことには好奇心旺盛で大いに盛り上がりました。キャンドルサービスは部屋を暗くして、厳かな雰囲気の中、ローソクを一点に見つめていると、内なる自分を見つめているような不思議な気持ちになります。
次回はどのようにして参加者を集め、どのような催しにするか。早くから検討の必要がありそうです。
2023年(令和5年)7月30日から8月1日
■桜美林学園交流事業の報告
清水安三先生顕彰会と高島市教育委員会の共催事業として、高島市内中学生の桜美林学園交流事業が行われました。
2019年(令和元年)に始まった交流事業は、新型コロナウィルス感染症の拡大により中断していましたが、令和5年3月桜美林学園中学生による高島市ならびに湖西中学校への訪問が実現し、今回の事業開催となりました。今回の交流事業を通して、清水安三先生が多くの子どもたちの教育のために生涯を捧げてこられたことを知り、安三先生が終生大切にされた『学而事人(がくじじじん)』(学問は決して自分のためだけではなく、身に付けた力を社会のために役立てることが大切)を、自身の体験として感じ取り、今後の生き方につなげてほしいと思います。そして、このような機会が得られたことに感謝しつつ、改めてよき郷土に誇りをもち、高島市中学生の代表として大きく成長してくれることを願っています。
今回は、7月30日から8月1日までの2泊3日の日程となりました。高島市内全ての中学校から16名の中学生が参加。引率・同行者は中学校から3名、清水安三記念館から4名、顕彰会から3名の計10名でした。
2023年(令和5年)5月13日
■令和5年度総会を開催
(会員数65名、出席者19名、はがき通知者28名)
深川澄雄氏の進行により提出された案件を審議。全て承認されました。議案書は、お知らせに掲載していますのでご覧ください。
なお、桜美林中学との交流事業が実施される場合は、特別会計にて対応することで了承されました。
総会において、次のとおり新しい役員体制が決定しました。(敬称略)
会 長 足立清勝
副会長 髙橋敏枝
幹 事 上原洋子、野田幸雄、山本稔、宮前憲生
会 計 三田村治夫
監 事 多胡みち子
顧 問 清水賢一、清水淑子、北畑区長、湖西中学校長
■総会終了後に研修会を開催
村田秀俊湖西中学校長先生の講話
テーマ:学而事人の推進「概要」
現在の湖西中学校の全校生徒数は283名。以前に比べると生徒数が減少してきたが、それでも市内最多の生徒数。数年前までは授業中に立ち歩いたり、私語が多かったり、なかなか授業に入れない生徒もいたが、現在は落ち着いた環境となっている。
変わるきっかけは、5~6年ほど前から始まったコミュニティスクール(以下CS)。地域の方にどんどん学校に入っていただいて、温かいまなざしで生徒たちを見守っていただいたことで生徒たちに変化が起きた。大変落ち着いた環境の中で、自分たちも学校をよくしたいと思うリーダーたちが育ってきた。ただ、最近不登校の生徒や個別の対応を要する子たちが増えてきた。
目指す学校像として「学ぶ力と人間性を高める」「自尊感情」「仲間とともに取り組み認められる喜び」「社会に目を向けるグローバルな視点を持つ」「自己指導能力」「つながり響きあう地域とともにある学校活動の継続」そして「学而事人」
特に学而事人の取組みとして、地域住民による学校支援活動の「むくげの花の会」の中学生版「むくげの花チルドレン」を令和4年9月に結成し、令和4年度は31名の生徒が「自分たちにできることを学内でやろう」と活動している。農園作業ボランティアやふれあい食堂への参加などを生徒に呼びかけを行っている。校外で活躍することは、普段の学校での学びを外で活かすチャンスであり、これも学而事人の一つとして大切なことだと生徒には話をしている。
この活動は、学校だよりやHPでも発信している。子どもたちだけではなく、保護者の皆さんにも発信し、地域のイベント等にも積極的に参加している。加えて、「学而事人の道」の登り旗を作成し、湖西中や桜美林中学校、清水安三記念館にも設置しています。教師から呼びかけるだけでなく生徒たち自らが発信していってくれるようになってきた。
令和5年2月19日
清水安三先生顕彰会設立十周年記念事業 講演会の開催
『美世図書館と私』~清水安三先生の生き方に学ぶ~
清水安三先生が1961年(昭和36年)古希記念事業として、故郷の生家に開かれた「美世図書館」に纏わるお話を三名の方にしていただきました。講師は、一井久子氏と古川富子氏、そして清水賢一先生です。
■第一部
最初に、清水安三記念館の副館長をお勤めの一井久子氏が登壇されました。
清水安三先生に誘われ、1967年(昭和42年)に桜美林学園職員として美世図書館に着任されたとのことです。東京都から滋賀県高島の田舎へ!なぜ? と感じながらも三年にわたり無我夢中で子供たちや地域の人たちと共に暮らしてこられたお話でした。
会報六(平成30年3月25日発行)に「安三先生と美世図書館の想い出」として掲載されていますのでご覧ください。
■第二部
続いて、美世図書館同窓生(北畑出身)として古川富子氏が登壇されました。
美世図書館で編み物や餃子づくりなどを教わり、生涯の仕事になったとのことです。現在は、仲間たちと立ち上げたヤナちゃんカフェでの見守り活動や編み物教室が地域の高齢者の居場所になっているとともに自分自身の居場所づくりになっている。と元気な声でお話を頂きました。
■第三部
最後に、桜美林大学孔子学院高島学堂長の清水賢一先生が登壇されました。
清水賢一先生は清水安三先生顕彰会の顧問であり、いつも顕彰会の事業に温かくご協力をいただいています。
今回は、清水安三先生の教えである「学而事人」(学んで得た知識や見識をもって人に奉仕すること)と「利人不利己」(たとえ、自分には損になることであっても困っている人がいたら、その人の世話をしてあげなさい)について、お話をしていただきました。
これらは、安三先生の姉キヨさんが、安三先生と夫人の美穂先生に教えた「人に対する優しい心」であり、安三先生と美穂先生が中国北京の大干ばつで苦しむ「子供たちの命を助ける」ことに繋がったことを紹介していただきました。「大陸の聖女と呼ばれた美穂夫人は、安三先生の最初の生徒であった」と締めくくりをされました。
今回の講演会は、「人に対する優しい心」を基調としていることに気づきました。~清水安三先生の生き方に学ぶ~ は今後も続けていきたいものです。
2022年(令和4年)12月17日
清水安三先生顕彰会設立十周年記念事業 北畑こどもクリスマス会を開催
清水安三先生顕彰会設立十周年記念事業「北畑こどもクリスマス会」を清水安三記念館で開催、6名の子どもたちが参加してくれました。クリスマス会は初めての催しで、地元の自治会「北畑区」からも後援をいただきました。
参加した子どもたちは、最初は緊張と戸惑いから不安そうでしたが、讃美歌やクリスマスソングを練習し、安三先生のお話を聞き、おやつタイムへと進む中で解放されてパワーアップ! ゲームでは負けると悔しさを爆発。全員の笑顔と大きな歓声が記念館に響き渡っていました。
キャンドルサービスでは、ロウソクを見つめながら心を落ち着かせ、厳かな雰囲気のなかでオルガン伴奏によりクリスマスソングを合唱。そしてサンタさんからプレゼントをもらって大喜び!「あけてもいいよ」の合図で、またまた大騒ぎでした。
司会者からクリスマス会の終了を告げられると、すかさず「来年もしてね、絶対してね」と大きな声でリクエストをしてくれました。
戦後、安三先生は生家を利用して地域の子どもたちが集える「美世図書館」を創り、そこでは多くの子どもたちが学び、遊んだ楽しい思い出があるとのことです。今回は、大人たちから楽しかったクリスマス会を再現して欲しい、という要望を受けての開催となりました。
企画した人やスタッフからは、「やっぱりクリスマス会を開催して良かった。クリスマス会はイベントとしては最強と実感できた」と感想を頂くことができました。
2022年(令和4年)5月14日
■令和4年度総会を開催
(会員数65名、出席者19名、書面賛否31名)
議長:高橋敏枝副会長の進行により提出された案件を審議。全て承認されました。
コロナ禍にあって実施できなかった前年度事業と、顕彰会設立10周年記念事業として市民参加型の事業を企画すること、また名誉町民:清水安三の称号を名誉市民:清水安三となるように関係団体や関係者と連携・協力しながら高島市に働きかけることなどが確認されました。
■総会終了後に研修会と清掃活動を実施
- 研修会
- 講話:清水淑子先生(清水安三記念館)
- テーマ:桜美林の校名とジャン・フレディック・オべリン
「桜美林の校名が学園敷地に多くの桜の木があったこと、安三先生ご夫婦がオベリン大学の出身、そしてフランスのジャン・フレディック・オベリンの生涯が安三先生夫妻のモデルであったことから「おべりん」という名称を用いられた」ことについて資料をもとに分かりやすくお話を頂きました。これまでとは違う角度から安三先生の勉強ができたことを嬉しく思います。
私的感想として、今日のお話からオベリンと昆虫記のファーブル、安三先生の三者が繋がっているような不思議が心に生じました。
- 学校出前講座の教材について
足立会長から、中学生を対象にした出前講座の内容について説明を受けるとともに教材のパワーポイントを確認させていただきました。
- 清掃活動
- 清水安三先生の生誕地記念碑清掃活動
参加者で、記念碑の清掃活動を実施させていただきました。
- 清水安三先生の生誕地記念碑清掃活動
2022年(令和4年)1月29日
講演会の開催
朗読劇:清水安三・石コロの生涯 ~隣人に寄り添える心を育んだ教育者の人生~
全国的に第6波の新型コロナウイルス感染急拡大の1月でしたが、滋賀県内にまん延防止等重点措置の対象地域がないことから、最大限の感染防止対策を施しながら滋賀県高島市新旭町で講演会を開催させていただきました。
今回は、初めての取組み「朗読劇」を観ていただくことになりました。出演は、水澤心吾さんと協力出演の中西恵美さん、高見潤子さん、浅越万里奈さん、そして照明・音響の加藤智彦さんです。水澤さんは滋賀県高島市のご出身で、テレビや映画、舞台を中心にご活躍中です。また一人芝居、朗読劇を国内外で公演されています。協力出演の方々は、高島市内で開催される市民劇などでご活躍の皆様です。今回初めてのコラボとなりました。
朗読劇は、清水安三先生が三名の女性とともに歩まれた半生をまとめられたもので、水澤心吾さんが数年かけて創られたオリジナル作品です。その内容とともに出演者の熱演に来場者の方々は、一様に感動されていました。三名の女性とは、美穂夫人、郁子夫人、そして母のウタさんです。
安三先生の生い立ち、大学、洗礼、中国伝道、結婚、崇貞学校、再婚、敗戦、桜美林学園・・・に渡るドラマでした。
清水安三先生の生涯や功績を知っていただくには、とても魅力的な朗読劇だったと思います。水澤心吾さんの今後のご活躍に期待したいと思います。
2020年(令和2年)5月16日
令和2年度総会の開催および書面議決の結果について
日時:令和2年5月16日(土)午後1時30分から
新型コロナウィルスの感染拡大防止対策として、書面議決に変更して実施させていただきました。
全ての議案について、過半数の賛成をもって可決されました。
詳しい内容につきましては、下記によりご確認をお願いします。
総会書面議決の結果
総会資料等をご覧になる方は、以下をダウンロードしてください
第1号議案:令和元年度事業報告並びに会計収支決算報告
第2号議案:令和元年度中学生交流事業報告並びに特別会計収支決算報告
第3号議案:令和2年度事業計画(案)並びに会計収支予算(案)
第4号議案:令和2年度中学生交流事業計画(案)並びに特別会計収支予算(案)
監査報告書
2020年(令和2年)2月22日
桜美林学園で開催されたワークショップに参加させていただきました。
事業計画にはなかったのですが、清水安三先生を知るには必要な機会、と幹事会で判断され、急きょ7名の参加となりました。
前日の21日、横浜市鶴見区の曹洞宗の大本山「總持寺」を訪問。顕彰会前副会長の宮前憲生氏がお勤めであることからの訪問でしたが、新型コロナウィルス対策で建物の外からのご案内となりました。少子化のために修行僧の人数も少なくなってきているようです。未来は少子化社会をどのように過ごしていくのかが課題であるようです。次回、改めて拝観させていただきたいと思います。
22日、桜美林学園訪問
清水賢一先生のお出迎えをいただき、修復された中江藤樹像とヴォーリズ設計事務所が設計された図書館をご案内いただきました。中江藤樹像は刀が欠けていましたが、2月に葛原準子氏により修復されました。葛原氏は桜美林短大を卒業後、滋賀県信楽で陶人形作家として活躍されている方で、後のワークショップでお目にかかることができました。
図書館は、大きな丸柱が特徴ということです。地形に合わせて丸柱が配置され、その内部は開放的で落着きのある空間でした。安三先生が慕ってこられた中江藤樹先生とヴォーリズ先生が桜美林学園にシッカリと受継がれていることを改めて確認させていただきました。
そして、ワークショップ会場へ
テーマは「安三先生の秘書や、車の運転をしながら・・・」
清水賢一先生と小椋郊一先生の司会進行です。
第一部
小林茂先生(牧師)から、聖書箇所 マタイによる福音書13章:31節~32節「からし種とパン種のたとえ」についてお話がありました。
安三先生は、ヴォ―リス先生の自叙伝のような本 a mustard-seed in japanマスタードシード イン ジャパン「日本における一粒のからし種」を高校の英語教材として使われていたそうです。マスタードシード=からし種(小さい種)は育つと灌木になる。小さいけれどもやがては大きくなる、と言う例え。安三先生は「自分はからし種になる。小さな種から大きくなってみる」と。北京の崇貞学園は24人から今は3千人を超える有数の陳経綸中学校になった。桜美林も最初は小さい学校だったが、今や1万人を超える学園になった。からし種の例えは清水安三先生にも当てはめることができる。とお話をいただきました。
第二部
清水安三先生顕彰会理事の一井久子先生から感話「高島の美世図書館と安三先生」がありました。
1966年桜美林短大卒業後に安三先生の誘いを受けて清水安三先生の生家跡の美世図書館に赴任。何処よりも田舎で雪深く、とても驚いた!とのお話から始まりました。
赴任されたとき既に料理・ソロバン・英語・洋裁教室などは始まっていて、図書の管理や教室の準備、子どもたちとの遊び、地域の人たちとのふれあいが主なお仕事だったそうです。地域の人たちから大根・白菜など野菜を頂き親切にしてもらった、と振り返っておられました。
安三先生は時折り美世図書館に来られ、藁園の教会にも訪ねられていたそうで、その時は、多くの村の人たちが集まり安三先生のお話を聞いておられた、ということです。
一井先生は、早く東京に帰りたいと思いながらも高島で結婚、生活されることになりましたが、いま顕彰会の人たちと兄妹のようにお付き合いさせていただいている。顕彰会は、小さな一粒のからし種だったが、いま芽吹きかけている。安三先生のご縁に感謝しています、と結ばれていました。
続いて、理事長:佐藤東洋士先生の講演「安三先生の車を運転しながら・・・」です。
佐藤先生からは、学園の今昔・未来についてもお話をしていただきました。
一井先生からお話のあった「美世図書館」はボロボロだったが買戻し後に整備できたこと。学園内の中江藤樹像は、信楽からセドリックの後席に乗せ、安三先生は助手席だったこと。理事長車の最初はスクータで始まりスバルへと代わっていったこと。千葉・埼玉・小田原まで学生募集のポスター貼りに行ったが、安三先生の指示で貼紙禁止の場所にも貼ったこと。ガソリンスタンドでは、トイレに入った安三先生を乗せないまま出発してしまったこと、などのエピソードをお話しいただきました。
有難かったこととして、運転手として車内待機ではなく、安三先生と同席して多くの学校関係者の話を聞くことができた、一教員として育てていただいた。との感謝のお話でした。
佐藤先生が運転をされていたのは安三先生が80歳くらいの時で、今の自分の年齢と比べてみても、もっと大先生という感じだった。大学の新宿キャンパス(創新館)などの事業は、桜美林学園創立百周年を目指してやってきたが、安三先生の思いを、百年、二百年と引き継いでいかなくてはいけない、と語られていました。
続いて、昼食をいただきながら
小川康夫様から桜会のご紹介と、葛原準子氏からは「石ころ庵」で「安三先生をおじいさんの様に感じて接していた」と簡単なお話がありました。
また顕彰会の足立清勝会長からは最近の活動報告を行い、参加者で琵琶湖周航の歌などを歌わせていただきました。
第三部
佐藤節子先生の講話「安三先生の秘書をしながら・・・」です。
昭和30年、安三先生の秘書の仕事を紹介していただいた、というお話から始まりました。
安三先生は説教の時、復活の丘を眺めながら「わしにはあの丘の上に白亜の塔が見えるんじゃが、みんなには見えんのか?」とよくおっしゃっていた。今の立派な校舎で学べる学生さんたちもうらやましいなと思うけれど、一緒に暮らした私たちにはまた違う楽しさがあった。
生徒募集では自転車のハンドルに、ご飯から作った糊を飯盒に詰めて、ぶら下げて回った。安三先生は復活の丘5号に「生徒募集のポスター貼りほど嫌な仕事はなかった。」と書いておられ、私たちと同じ思いだったのだと知った。
私が桜美林に復職してから、当時安三先生は、泰さんのところに身を寄せられていたと思いますが、「私は居候なんだよ。」とおっしゃっておられ、胸が詰まる思いでした。郁子先生に先立たれ、寂しい思いをされておられたのだと思います。と、お話いただきました。
続いて、感話:学園秘書の方たちを代表して、創立20周年頃に秘書をされていた榎木隆子氏からお話がありました。
プレハブの建物は雨漏りがひどく安三先生の声も聞こえづらかった。また泥んこ状態で安三先生のズボンの裾の汚れをとっていた。そうした中でも、安三先生は生徒や職員に心かけて下さっていた。
安三先生は、毎朝お祈りをされていた。そして、ときおり自身の人生を「わしは一介の田舎暮らしで北京に行ったこと、日中の親善の橋渡しなどを考えていたこと、桜や水仙などを植えて庭をつくることが好きじゃ」などとお話しされたことなど振返りながらお話しいただきました。
今回のワークショップは安三先生の身近におられた方々のお話でした。安三先生の暮らしや人柄を垣間見ることができる貴重な時間でした。関係の皆様、ありがとうございました。
2019年12月17日、2020年1月17日
新旭南小学校および北小学校に出前講座
昨年度まで「夏休みお話会」として実施していた子どもたち向けのプログラムを、本年度から両小学校の協力をいただいて「出前講座」として実施させていただきました。清水安三記念館制作の紙芝居鑑賞が中心です。タイトルは「やっさんのゆめ(清水安三物語)」。
初めて清水安三という名前を聞く子が多いようですが、熱心に耳を傾けてくれました。
2019年(令和元年)11月23日
講演会:夢を実現した傑人 清水安三先生の生き様に学ぶ
令和最初の講演会を清水安三先生の生誕地である滋賀県高島市新旭町で開催しました。
講師は桜美林大学名誉教授の久保田圭作先生です。
久保田先生は、安三先生と同じ滋賀県高島市のご出身です。1985年桜美林大学教授、2007年より名誉教授をされています。顕彰会設立時から色々とご支援をいただいています。
久保田先生からは、安三先生の教育理念、不撓不屈の精神力など安三先生をよく知る久保田先生ならではのお話をしていただきました。
最初は安三先生の生涯について、高島市新旭町北畑に生まれ同志社大学で学んだ人格形成期、そして中国北京市で貧しい子女のために尽くされた災童収容所と崇貞学園時代、そして戦後に苦労しながら創立された桜美林学園時代について、改めてお話を伺うことができました。
初めて安三先生に触れられる人にとっては、同じ会場で実施したパネル展と共に良い話だったと思います。
また陽明学者:中江藤樹先生の「致良知(良知に致る)」は、幼い頃に安三先生が心に深く刻まれた行動の目標・指針となり、生涯にわたり藤樹研究されたこと。そして中江藤樹先生の儒教を通して、儒教もキリスト教も一つになって考えられたことなど、会場いっぱいにお集まりいただいた高島市の人たちにとっては、郷土の先人登場に大変興味深いお話であったと思います。
クラーク博士の"Boys,Be Ambitious"少年よ、大志を抱けの「大志は夢」と久保田先生は語られました。夢見る人、人のために尽くす人、信仰の人、決して屈しない人・・・・・夢を実現した安三先生の生き様にモットモット学ぶことがありそうです。今後の講演会に期待したいと思います。
2019年(令和元年)7月28日から30日
■桜美林学園との交流事業
今年からの桜美林学園交流事業は、桜美林学園の大きなご理解とご協力のもとに、高島市内の中学生が桜美林学園を訪問し、桜美林中学校の生徒と交流を図ることとなりました。交流を通して豊かな心やたくましい人間性を培う事はとても重要なことで、この交流において清水安三先生が大切にされていた「学而事人(学問は決して自分のためだけにするものではなく、身につけた力を社会に役立てることが大切)」を理解し、未来にはばたく人になって欲しいと願うものです。
初めてとなる今年は、7月28日から30日までの2泊3日の日程となりました。高島市内全ての中学校から14名の中学生が参加。引率・同行者は、高島市教育委員会から2名、中学校から3名、清水安三記念館から2名、顕彰会から4名の計11名でした。以下、交流事業の概要です。
- 事前研修会・・・・6月23日(日)、7月7日(日)、7月14日(日)
〇清水安三先生について基礎的な知識を学ぶ ◯参加者同士の意思疎通を図る ◯交流会で使用する資料を作成する などの目的で、3回の事前研修会を行いました。部活の試合や大会等で全員揃うことがなく、欠席者には別の日に集まってもらったり、各中学校で作業をしてもらったりしながら準備を進めていきました。
- 交流の旅 第1日目・・・・7月28日(日)
早朝、高島市役所前で出発式が行われました。高島市教育委員会、中学校、参加した中学生の保護者など多くの方々に見守られて、足立会長(団長)、上原教育長の挨拶や激励の言葉があり、中学生代表の内田さんが出発に当たっての決意を述べました。
その後、市役所を出発し、最初の研修先「多摩キャンパス(アカデミーヒルズ)」に到着しました。ここは国土交通省の施設であったものを桜美林学園が譲り受けられて、今は桜美林大学のパイロット養成コースになっているとのことです。今回は、学園のご配慮で担当教授の横田友宏先生から直にご指導を受けたり、大学院生からもマンツーマンでご指導頂いて、全員が飛行機操縦のシミュレーション体験をさせていただきました。
- 交流の旅 第2日目 ・・・・7月29日(月)
先ず「復活の丘・桜美林教会」を訪問。教会でお話を聞いたり教会の横の「石ころ庵」を見学しました。その後、桜美林学園で理事長:佐藤東洋士先生からお話しをいただき、先生を囲んでの懇談がもたれました。生徒たちの率直な発言にも佐藤先生はやさしく答えてくださいました。
その後、桜美林中学校長の大越孝先生から歓迎のご挨拶をいただき、桜美林中学校の生徒たちとテーブルを囲んでの昼食をいただきました。ここで、とても和やかな雰囲気になりました。
交流会では中学生以外に、桜美林中学校の先生方をはじめ学園の関係者、学園同窓会の皆さんが多数同席される中で、高島市の中学生は、高島市のことや各中学校の活動を順に紹介しましたが、いずれも練習以上に立派に発表していました。
交流会の最後に、参会者全員が1つの輪になって「琵琶湖周航の歌」を合唱して交流会を閉じました。
次に、クラブ活動(部活動)の交流を行いました。バレーボール部やバスケットボール部には参加しましたが、多くの生徒は美術部で創作活動を通して交流しました。カバンにプリントしたり、本物のイカの拓本をとったりしながら和気あいあいと歓談していました。とても明るく優しくお話しされる顧問の先生も印象的でした。
夕食は、学園が経営されている福祉施設の「サクラレストラン」でご用意いただきました。レストランに入る前に、その近くにある桜美林スタジアム(野球場・室内練習場)を見学した生徒もあり、その素晴らしい施設に驚くばかりでした。会食では、メインの行事もうまく終えることができたことによるの緊張感のほぐれもあってか、それぞれがこれまでの感想を楽しく述べ合いながら、美味しい夕食をいただいていました。
- 交流の旅 第3日目・・・・7月30日(火)
最終日は、相模原博物館と相模原JAXAの見学です。JAXAでは、今話題のハヤブサ2・リュウグウ関係の展示物をはじめ、宇宙・ロケット・人工衛星など生徒たちにとって興味深いものばかりで、時間いっぱい見学していました。
帰路のバス中では、生徒たちが長く知り合いであったかのように親しく賑やかに盛り上がり、無事に高島へ帰ることができました。
2019年(令和元年)5月11日
■令和元年度総会を開催
(会員数68名、出席者20名、はがき通知者29名)
三田村治夫先生の進行により提出された案件を審議。全て承認されました。議案書は、お知らせに掲載していますのでご覧ください。
総会において、新しい役員体制が決定しました。(敬称略)
- 会 長 足立清勝
- 副会長 城戸重臣
- 幹 事 一井久子、岡本三四二、(新任)多胡みち子、(新任)三田村治夫
- 会 計 川妻勇
- 監 事 高橋敏枝
- 顧 問 清水賢一、北畑区長
事務局体制に変更はありません。
- 事務局 加藤圭子、清水文和、堀久好
■総会終了後に研修会と清掃活動を開催
- 清水安三記念館制作の紙芝居鑑賞
- タイトル:やっさんのゆめ(清水安三物語)
- 清掃活動
- 清水安三先生の生誕地記念碑および高島市役所前の胸像清掃活動
続きは、下をクリックして下さい
↓
清水安三先生顕彰会の歩み(平成)>https://www.yasuzo-s.com/index.php?go=sEKq0K
a:9024 t:1 y:0
- 清水安三先生の生誕地記念碑および高島市役所前の胸像清掃活動